こんにちは、ベースライン研究所所長のたぺです。当研究所(サイト)にお越しいただきありがとうございます!ここを訪れてくれたあなたも既にベースをこよなく愛する研究員。共にかっこいいベースライン作りの研究をしていきましょう!
このページに来たということは、「ベースの指板上で、キーを把握したい!」そんな気持ちがあるかと思います。
キー(Key)はベースラインを作る際にまず把握したい曲の中で最も重要な要素です。
しかしながら、
- ♯とか♭とかどこに何個つくか覚えられない
- キーとか言われても、ぱっと対応できない
- キーの重要性がいまいちわかっていない。
というような悩みを抱えている人がいるのも事実ですね。
ここでは、とにかくすぐに把握できるように、
- 中指ルートのフォームの1ポジション
- パッと見てすぐ弾ける
- ♯や♭が増えていく順番がわかりやすく。
早見表にしてまとめました。
忘れちゃった時は、すぐにここに見に来てくださいね!
キーとスケールについてのこの記事の解説を動画にしました。
キー(Key)は「スケール」を中心とした楽曲という指定
そもそもキー(Key)とは何でしょうか?キーは、曲を構成する1本の軸です。例えば、キーCといえば、C=ドを中心とした「メジャースケール」という音階が展開されてきます。メロディやコードなどもCに戻ってくると、落ち着いた感じがします。つまり、キーというのは言い換えれば、曲の中心となる音群を指定するサインです。
※実はキーには暗い曲調の「マイナー」もあるのですが、今回の考え方を理解してからの方が覚えやすいので、この記事では割愛します。
キーを指定するには、スケールを指定することと同じです。そのためには
- 「中心になる音を決める」
- 「使う音を決める」
という2つの軸が必要です。
スケール決めは1音リーダーを決め、12音からレギュラー7音を選抜すること
使うメジャスケールを決めるためのステップ1、中心音決めは「リーダー音」を決めるようなものです。そして、特定の音からオクターブ上の同じ音までの間にある12音から選抜し「7音のレギュラーメンバー」を決めることです。
具体的に言えば、Cメジャースケールというのは、リーダー音をCと決める。そして、C、C♯、D、D♯、E、F、F♯、G、G♯、A、A♯、B、の12音の中から、C、D、E、F、G、A、Bの7音をレギュラーメンバーとして選抜するということです。反対に、C♯、D♯、E♯、F♯、G♯の5音はベンチ入りです。※ベンチ入りしたら使ってはいけないわけではないですが、使い所が肝心なので、ここでは割愛します。
ここでお伝えしたいのは、
これがとても大事なのです。さてでは、ベーシストならではの、リーダー音とレギュラーメンバー7音の覚え方をお伝えしましょう。
リーダー音とレギュラー音は「型」で覚える
先程も出てきましたが、音は全部で12音あり、その12音の繰り返しで、音階は構成されています。ということは、リーダー音になれる音は12音あることになるので、12個のキーが存在することになります。
ですが、小難しいことは考えずに、まずは「型」で覚えてしまうことが大事です。型を覚えて、何度も反復して使っていくことがまずは大事です。
【型1】:「メジャースケール」という「型」を覚える。
リーダー音を決めると、リーダー音を含めたレギュラー7音は規則的に決まります。今回使う規則を「メジャースケール」といいます。
この「メジャースケール」の選出方法は、全音(一個飛ばし)と半音「隣合わせ」の順番が決まっています。
メジャースケールの全音と半音の並びの組み合わせは、「全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音」という規則で決められています。
カンの良い人はもしかしたら「スケール(全音・半音の組み合わせ)って他にもあるのんじゃないか?」と思ったのではないでしょうか?正解です(^^)別の機会に他のスケールもご紹介していきますね!
ですが、この全音と半音の組み合わせは、丸暗記する必要はありません。ベースを使って「型」で覚えていきましょう!
【型2】:「中指ルートフォーム」という「型」で覚える。
まず、ベースの指板上に行く前に、先程のスケールに番号をつけていきます。
【準備1】:スケールに選ばれた音に番号をつける。
リーダー音を1番として、選ばれた7音に番号をつけていきます。これを「ナンバーシステム」と呼びます。
【準備2】:番号の配置を図形で覚える。
番号を振ったものを、形で覚えていきましょう!
【実践1】:1番を中指で始めるから、「中指ルートフォーム」と呼ぶ
上の番号と図形の配置は指板に置き換えて考えていきます。
そうした時に、弦を押さえる左手の「中指」で1番を押さえて1から順番に鳴らしていきます。
その時に1フレット1フィンガーを意識して、人差し指、中指、薬指、小指をそれぞれのフレットに対応させていきます。
具体的には、
- 1番・・・中指
- 2番・・・小指
- 3番・・・人差し指
- 4番・・・中指
- 5番・・・小指
- 6番・・・人差し指
- 7番・・・薬指
- 8番・・・小指
※8番はオクターブ上の1番のことです。
このように、1番を「中指」で押さえるので、「中指ルートフォーム」と言います。
1番のことを別名「ルート」と呼び、コードの説明で多用されます。フォームというのは「手の形」のことですね。
なので、別の言い方をすれば、「中指ルートフォーム=1番の音を中指から始める手の形」ということです。
※手が小さくて、指が届かない!という人はこの限りではありません。無理しないで!大事なことはこの並びを覚えること!
【実践2】:どの弦から始めても、どのフレットから始めても、フォームは変わらない
この「中指ルートフォーム」は1、2、3、4弦、どの弦から始めても変わらないですし、どのフレットから始めても形は変わりません。
全12キーのメジャースケール表
ではここからは、「中指ルートフォーム」を使ったスケールを一挙大公開します!
もう一度、ここまでの話を整理すると、キーというのは、メジャースケールを中心とした楽曲で使われる音の指定です。例外はたくさんありますが、ベースラインを作る際は、このキーに合う音を基本軸として使っていくことになります。
つまり、例えばキーAならば、キーAで使っていい音を把握していれば、歌うように奏でるベースラインを作ることができます。
なので、ここでは、とにかく難しいことは考えずに、形と使える音を見ていきましょう!
Cメジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ドレミ(伊語) | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
英語 | C | D | E | F | G | A | B |
Gメジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | G | A | B | C | D | E | F♯ |
ドレミ(伊語) | ソ | ラ | シ | ド | レ | ミ | ファ♯ |
Dメジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | D | E | F♯ | G | A | B | C♯ |
ドレミ(伊語) | レ | ミ | ファ♯ | ソ | ラ | シ | ド♯ |
Aメジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | A | B | C♯ | D | E | F♯ | G♯ |
ドレミ(伊語) | ラ | シ | ド♯ | レ | ミ | ファ♯ | ソ♯ |
Eメジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | D♯ |
ドレミ(伊語) | ミ | ファ♯ | ソ♯ | ラ | シ | ド♯ | レ♯ |
Bメジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | B | C♯ | D♯ | E | F♯ | G♯ | D♯ |
ドレミ(伊語) | シ | ド♯ | レ♯ | ミ | ファ♯ | ソ♯ | ラ♯ |
F♯メジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | F♯ | G♯ | A♯ | B | C♯ | D♯ | E♯ |
ドレミ(伊語) | ファ♯ | ソ♯ | ラ♯ | シ | ド♯ | レ♯ | ミ♯ |
Fメジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | F | G | A | B♭ | C | D | E |
ドレミ(伊語) | ファ | ソ | ラ | シ♭ | ド | レ | ミ |
B♭メジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | B♭ | C | D | E♭ | F | G | A |
ドレミ(伊語) | シ♭ | ド | レ | ミ♭ | ファ | ソ | ラ |
E♭メジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | E♭ | F | G | A♭ | B♭ | C | D |
ドレミ(伊語) | ミ♭ | ファ | ソ | ラ♭ | シ♭ | ド | レ |
A♭メジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | A♭ | B♭ | C | D♭ | E♭ | F | G |
ドレミ(伊語) | ラ♭ | シ♭ | ド | レ♭ | ミ♭ | ファ | ソ |
D♭メジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | D♭ | E♭ | F | G♭ | A♭ | B♭ | C |
ドレミ(伊語) | レ♭ | ミ♭ | ファ | ソ♭ | ラ♭ | シ♭ | ド |
G♭メジャースケール
ナンバリング | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
英語 | G♭ | A♭ | B♭ | C♭ | D♭ | E♭ | F |
ドレミ(伊語) | ソ♭ | ラ♭ | シ♭ | ド♭ | レ♭ | ミ♭ | ファ |
あれ!?13個キーが有るぞ!?
実はF♯とG♭は同じです
シャープ(♯)がたくさんついているF♯と、フラット(♭)がたくさんついているG♭の指板図をもう一度並べてみましょう。
F♯メジャースケール
G♭メジャースケール
指板で見ると一目瞭然!実は同じなんです。
フラット(♭)やシャープ(♯)がついた場合
♯=「その音よりも半音高い音」
♭=「その音よりも半音低い音」
という意味になります。
例えば、
F#というのは「Fよりも半音高い音」という意味です。
G♭というのは「Gよりも半音低い音」という意味です。
つまり、F♯とG♭は同じ音なのです。
まずはこれらを覚えておいてください。
まとめ:1番目の音の指板上の位置と中指ルートフォームを覚えれば、12キーのメジャースケールをマスターできる。
結構いろいろなことを、書きましたが、覚えておいてほしいことは2つだけです。
ステップ1:リーダー音となる音の指板上の位置を把握する。
リーダー音、つまり、メジャースケールのスタートの位置であり、キーを表す音の位置を把握する事が重要です。
上の全12キーのリーダー音だけを抽出すると、以下のようにまとめられます。
ステップ2:リーダー音を基準にし「中指ルートフォーム」を使って他の音の場所を把握する。
リーダー音をスタート音として、中指ルートフォームで番号を駆け上がるとメジャースケールとなります。
メジャースケールは、そのキーを表す選抜した7音なので、この音を把握することで、曲にあったベースラインを奏でられるようになります。是非覚えておいてください。
メジャースケールをまず型で覚えたら次に…?
この記事では、「まず型で覚えちゃえ!」という視点でまとめましたので、いろいろすっ飛ばしています。
なので、次に覚えておいてほしいことも紹介しておきます。
「五度圏」で覚える♯と♭の増え方の法則!
実はキーのシャープやフラットの増え方には法則があります。それを覚えることで、さらに理解が深まります。
中指ルートフォーム以外のメジャースケールの型を覚える!
ベースという楽器は、「同じ音が別の場所にもある」という特徴があります。ということは、他のフォームを覚えることで、さらに多彩なベースラインを弾けるようになります。
指板把握のためのベースならではの覚え方!
ベース上のどこを押さえたら何の音が出るのか?それを全部覚えられたら、どんなに自由に演奏ができるでしょうか!?
しかし、それは一筋縄ではいかないのもたしか。この記事で法則を覚えていきましょう!
キーのもう一つの側面、暗い曲調!?「マイナースケール」一覧
今回の記事では、キーは「メジャースケール」の話しか出てきませんでしたが、キーには暗い曲調のマイナーキーも存在します。
そのマイナーキーはメジャースケールを覚えてしまえば、あっという間に覚えられます。
曲の途中でキーが変わることを「転調」という
曲の途中でキーが変わることを「転調」と言います。部分的に瞬間的に転調したり、サビで転調したりなど、いろんな転調テクニックがあるので、それは別の機会にお伝えします。