「ルート以外にベーシストは何を弾いたらいいの?」
「ベーシストだけど、コードを理解して作曲できるようになりたい!」
こんにちは、ベースライン研究所所長のたぺです。当研究所(サイト)にお越しいただきありがとうございます!ここを訪れてくれたあなたも既にベースをこよなく愛する研究員。共にかっこいいベースライン作りの研究をしていきましょう!
コードを理解するとできるようになること
・ベースラインのコピーだけでなく、自分でベースラインを作れるようになる
・歌うようなベースラインを弾けるようになる
・バンドメンバーやお客さんに褒められるベースラインを作れるようになる
・ベースで作曲できるようになる
・弾けることが増えて、ベースが更に楽しくなる!
実は、ベース音がハーモニーのキモ
ベーシストは、基本単音弾きなのに、コードが重要なの? と思われるかもしれませんね。
しかし、実はベースの音は、ハーモニーを大きく左右する力を持っているのです。あなたの1音でバンドのコードが決まると言っても過言ではありません!(笑)
だからこそ、しっかりコードを学んでいきましょう。
コード予備知識
小学生が足し算、引き算、掛け算…と算数を覚えていくように、コードを覚えるためにも「予備知識」が必要です。
2)度数
この2つの知識さえあれば、コードを理解するのは、かんたんです! 逆に、今までよくわからなかったんだよね、という場合は、この2つの知識の準備不足だったかもしれません。
この2つの言葉はよく心得ている! という方は、この項目は読み飛ばしてもOKです!
メジャー・スケール
「メジャー・スケール」というのは、かんたんに言えば、「ドレミファソラシド」のことです。
これは、音楽の不思議な性質で、ある法則で音を並べると、どの音から弾き始めても、聴覚上、「ドレミファソラシド」と同じようなサウンドに聞こえます。
そのある法則が、「全全半全全全半」。「全」は「全音」、「半」は「半音」のことで、これらは音の「距離」を表す言葉です。ベースで言えば、隣り合うフレットが「半音」の距離です。3フレットの音に対し、4フレットの音は「半音上」というように使います。どの弦でも、どのフレットでも同じく半音です。
「全音」は、半音2つ分の音の距離のことで、例えば3フレットの音に対し、1フレットの音が「全音下」という関係です。
この意味につまずいている方は、実際に鍵盤やベースを使って聴いて理解しましょう。
「ドレミファソラシド」は役名?
小学校で誰もが習う「ドレミファソラシド」というのは、実は音の「役名」のようなもので、音の高さを指すときは、通常「C D E F G A B」というようにローマ字表記をします。
例えば、F音を中心としたメジャー・スケールを「Fメジャー・スケール」というように呼びます。この場合、F音から「全全半全全全半」という法則で音を選ぶので、「F G A B♭ C D E」という音から構成されます。
度数
「度数」も、全音・半音のように音の距離を表すための言葉です。
「度数」は、かんたんに言うと、「メジャー・スケールを数字に置き換えた」数え方です。
ここで注意したいところは、「3と4(ミとファ)」「7と8(シとド)」の間隔は、暗黙のルールで半音になっていることです。
コードの読み方
コードは、「どの音を鳴らせばいいのか」をなるべくスタイリッシュに簡略化したものです。
例えば、「C音・E音・G音の3つを鳴らしてください」という場合、単純に「C」とだけ書きます。このコードの表し方のルールを理解すれば、かんたんにコードは読めるようになります。
3和音
コードは、基本的には「3種類以上の音が重なったもの」のことを指します。3和音のことを特別に「トライアド」と呼ぶこともあります。余裕があれば、覚えておきましょう!
メジャー・マイナー/長三和音・短三和音
まず一番最初に覚えておきたいことは、コード表記は、「メジャーの3和音が標準になっている」ということです。
度数で言えば、「1・3・5」ですが、難しければかんたんに、「ド・ミ・ソ」が標準だと覚えておきましょう。そこに何か足したり、引いたり、変化させていることを記号や数字を使って表していきます。
メジャー、マイナーのコードとは、どんなコードか説明していきましょう。よくバンドの有名度合いをメジャー、マイナーという言葉で表しますが、コードのメジャー・マイナーはそういう意味ではありません。(笑)
コードの場合、明るい、暗いというサウンドの違いを持ちます。そして、そのサウンドの違いを生み出すのが、「3度」の音です。
「ド・ミ・ソ(C・E・G)」を「C」、「ド・ミ♭・ソ(C・E♭・G)」を「Cm」という風に表します。
ディミニッシュ(dim)/減三和音
次に5度が変化するときのコードについて、お話しましょう。
マイナーのコードからさらに、5度も半音下がるコードを「ディミニッシュ」と言います。つまりコードの構成音は、「1・♭3・♭5」です。
「ド・ミ♭・ソ♭(C・E♭・G♭)」を「Cdim」と表記します。「Cm-5」「Cm(♭5)」も同じ意味です。
オーギュメント(aug)/増三和音
5度は、半音上がるコードも存在します。それが「オーギュメント」です。オーギュメントのコードの構成音は「1・3・#5」です。
「ド・ミ・ソ#(C・E・G#)」を「Caug」と表記します。「C+5」「C(#5)」も同じ意味です。
サスペンデッド・フォース(sus4)
「あれ? 3度は半音上がるコードはないのかな?」と思われた方もいることでしょう。
3度の半音上は4度となり、「1・4・5」のコードをサスペンデッド・フォース、略して「サスフォー(sus4)」と呼びます。(「Suspended」は、吊り上げるという意味で、3度を4度に引き上げる、というようなニュアンスですね。身近なところだと、ズボンを吊るす”サスペンダー”と同じ言葉です)
「ド・ファ・ソ(C・F・G)」を「Csus4」と表記します。
4和音
「4和音」と呼ぶとき、基本的には、「ド・ミ・ソ・シ」というようにメジャー・スケールを一つ飛ばしに重ねたコードを指します。度数で言うと、7度の音が入ってくるので、セブンス・コードとも呼びます。
今回の記事では説明しませんが、4和音までを「コード」、それ以上の音を「テンション」と分けて呼びます。
メジャー・セブンス(M7)
メジャー・スケール通りに「ド・ミ・ソ・シ(C・E・G・B)」と積み上げたコードを、「CM7」と表記します(読みは、Cメジャー・セブンス)。度数は、「1・3・5・7」です。
大文字の「M」をつけ忘れると、別のコードになってしまいます。「C7」と「CM7」は別のコードということです。
ドミナント・セブンス(7)
先程出てきた「C7」というように、大文字の「M」が入らないセブンス・コードは、「ドミナント・セブンス」というコードで、7度の音が半音下がります。つまり構成音は、「1・3・5・♭7」。
「ド・ミ・ソ・シ♭(C・E・G・B♭)」のコードを「C7」と表記します。
今回は、コードの読み方のみ解説していくので、コードの役割についてはまた別の記事で説明していきますが、「ドミナント」というのは、コード理論の中でも重要な言葉となってきます。「ドミナント」は、英語で「支配する」という意味を持ち、曲のキーを決める要素として重要な役割を持ちます。
弾いてみると、メジャー・セブンスのコードと比べて、少し不安定な感じのするサウンドだということが分かると思います。
マイナー・セブンス(m7)
さて、次はマイナー・トライアドに7度の音を足すコードを覚えていきましょう。
次の項目で説明しますが、マイナー・トライアドに「メジャーの7度」を加えた「マイナー・メジャー・セブンス」は登場頻度の低いコードなので、マイナー・トライアドに「♭7」を足した「マイナー・セブンス」を先に解説します。構成音は「1・♭3・5・♭7」
「ド・ミ♭・ソ・シ♭(C・E♭・G・B♭)」のコードを「Cm7」と表記します。
マイナー・メジャー・セブンス(mM7)
マイナー・メジャー・セブンスは、少し特殊なコードで、出てくる曲のほうが限られてきます。サウンドも印象的なので、一度聞いたら、忘れない小悪魔的な(?)コードです。構成音は、「1・♭3・5・7」。
マイナー・トライアド(ド・ミ・ソ)+メジャー・セブンスのコードで、「ド・ミ♭・ソ・シ(C・E♭・G・B)」を「CmM7」と表記します。大文字・小文字の順番に注意ですね!
マイナー・セブンス・フラットファイブ(m7−5)/ハーフ・ディミニッシュ(φ)
3和音でも出てきた5度が半音下がるコード(ディミニッシュ)に「♭7」が加わるコードで「マイナー・セブンス・フラットファイブ」というコードがあります。構成音は、「1・♭3・♭5・♭7」です。
「ド・ミ♭・ソ♭・シ♭(C♭・E♭・G♭・B♭)」を「Cm7-5」と表記します。「Cm7(♭5)」「Cφ」も同じ意味です。
次に説明するディミニッシュ・セブンスのコードにサウンドが近く、「ハーフ・ディミニッシュ」とも呼ばれます。
ディミニッシュ・セブンス(dim7/o)
ディミニッシュ・セブンスは、「セブンス」と言っておきながら、実質「6度」の音が加わる、ちょっと意地の悪いコードです(笑)。構成音は、「1・♭3・♭5・6」なのです。
先程出てきた「ハーフ・ディミニッシュ」と混同して覚えてしまっている人もいるので、気をつけましょう!
「ド・ミ♭・ソ♭・ラ(C♭・E♭・G♭・A)」を「Cdim7」と表記します。「Co」と書かれることもあります。
難しそうな名前をしていますが、意外と邦楽ロックでも使われるコードです。
▼実際に使われている曲を解説しました!
この怪しくも、切なくもあるサウンドに虜になっている人は、数知れず……そんなクセになるサウンドでもあります。
ディミニッシュ・セブンスの面白いところは、1オクターブを3フレットずつに均等に割って並んでいるところです。
この特徴は、後々ベースラインにも活かすことができるので、頭の片隅に置いておいてくださいね!
コードの覚え方おさらい
ここまでのコードの覚え方は、いかがでしたでしょうか?
- ルートから度数で数える
- コードの基本は、ド・ミ・ソ(1・3・5)
- ド・ミ・ソと違うところを数字や記号で示している
この3ポイントを理解できれば、コードは格段に覚えやすくなるでしょう!
ベースラインとコードトーンは密接に関わっているものですから、このページをブックマークして、何度も読み返してくださいね!