キャビネットシミュレーターとは?DARKGLASS ULTRAシリーズレビュー!ライン録音でもアンプっぽい音が出せる!?

「Darkglass ULTRAシリーズの“キャビネットシミュレーション”ってどう使うんだろう?」

Darkglassの代表的なプリアンプB7K ULTRAの使い方を別の記事で解説してきましたが、今回は、B7K ULTRAのさらなる魅力”キャビネットシミュレーション”の使い方について徹底解説していきます!

機材レビュー|Darkglass Electronics MICROTUBES B7K ULTRA音作りセッティング方法解説!

こんにちは、ベースライン研究所所長のたぺです。当研究所(サイト)にお越しいただきありがとうございます!ここを訪れてくれたあなたも既にベースをこよなく愛する研究員。共にかっこいいベースライン作りの研究をしていきましょう!

  • DarkglassのULTRAシリーズを買ったので、使いこなしたい方
  • Darkglassを購入しようか検討されている方
  • 宅録を始めたいと思っている方

今回の記事が役に立つこと間違いなしです!

Darkglassのシリーズ展開

Darkglassを購入検討されている方の第一の壁は、種類の豊富さではないでしょうか。(第二の壁は金額……^^;)

Darkglassのシリーズ展開についてはコチラを参考にしてみてくださいね▼

【12機種一覧】Darkglassの歪み/プリアンプの違いをわかりやすく解説!B7K 、B3K、VINTAGE、Alpha・Omega、MICROTUBES X、ULTRAシリーズの違い

今回紹介するキャビネットシミュレーション機能は、Darkglassの“ULTRAシリーズ”に搭載されている機能です。

Darkglassの歪みシリーズは現在(2020年5月時点)4種類×3段階のグレードの計12種類発売されています。

3段階ある機種の最上位モデルが“ULTRA”。

“現行品の”ULTRAシリーズにはすべて、キャビネットシミュレーションというデジタル回路が内蔵されています。

このキャビネットシミュレーションの機能は、B7KとVintageはV2になって搭載されたもので、V1にはありません。中古品などでお探しの場合は、ご注意くださいね!

キャビネットシミュレーション機能とは?

キャビネットシミュレーション機能をざっくりと説明するのであれば、

本物のアンプっぽい音を出せるようにする機能
プリアンプを通しただけのライン録音では、ちょっと音が寂しい印象になってしまう……というプリアンプの弱点を見事に解決する機能がキャビネットシミュレーション機能です。
今回は、B7K ULTRAを使って解説していきますが、ULTRAシリーズすべてに搭載されているキャビネットシミュレーションの話なので、他のULTRAシリーズをお持ちの方もぜひ参考にしてみてください!
それではより詳しく解説していきましょう。
まず「キャビネット」というのは何か? を簡単に説明すると
アンプのスピーカー部分
スピーカー部分というのは、「スピーカーユニット」(音を出す部分)と「スピーカーボックス」(ハコ部分)を合わせたものを指します。

各部名称についてあやふやのままだと何を指しているのかが分からなくなってしまうので、アンプについてここで基礎知識を押さえておきしょう。

なんとなく音が出る機械をアンプと呼んできた人も、より一層知識が深まりますよ!

アンプの構造をざっくりと説明すると、

①音色を作る「プリアンプ」
②音を増幅する「パワーアンプ」
③電気信号を音に変える「キャビネット」
の3つの部分に分けて考えることができます。
この3つがすべて1つのハコに入っているコンボタイプ、キャビネット部分とプリ・パワーアンプが別々になったスタックタイプがあります。

プリアンプだけではアンプ感が出ない?

今回紹介しているB7K ULTRAは、「プリアンプ」に属するエフェクターですが、このアンプの構造にあるプリアンプと同じような役割を担うエフェクターとして、「ペダル型プリアンプ」あるいは「アウトボードプリアンプ」などと呼ばれます。

プリアンプというのは、「音色を作る」ことがメインの回路なので、大きな音を出すことはプリアンプ単体ではできません。

ここで注意したい点は、プリアンプは「音色を作る」部分とは言っていますが、

スピーカーを通して聞いている音を作れるということではない

ということです。

プリアンプから直接録音機器に通して「ライン録音」をすることができますが、ライン録音ではキャビネット、そして空間を通さないので、実際のアンプから出した音とは違った音色になります。

ライン録音は、くっきりはっきりとした音が録れる一方で、アンプから出した音をマイクで拾ったときのような立体感や空気感がないというデメリットがあります。

ライン録音は線が細く固いイメージで、アンプ録音は線が太く暖かいイメージです。

宅録でアンプ感を出すためには

宅録したいベーシストも、家でアンプを鳴らすのは難しいという方は多いと思います。

すると、どうしても宅録では「アンプで鳴らしたベースの音」が録れない……というライン録音の弱点がありました。

アンプ感を出すための方法として、アンプシミュレーターパソコンのDAW(作曲ソフト)のプラグインを使うという方法があります。

(今は安価なマルチエフェクターでもアンプシミュレーターが入っているものもあります!)

パソコン、DAW、さらにプラグインとどれも値が張り、揃えるのにも難儀する宅録でしたが、

DarkglassのULTRAシリーズさえ1台あれば全て解決!

(昼の通販番組みたいですね^^;)

パソコン環境や機材、ソフトなどを必要とせず、ULTRAシリーズはこれ1台で「アンプっぽい音」が出せてしまう逸品なのです……!

宅ロッカーの必需品と言っても過言ではありません!

逆にキャビシミュを使わないのであれば、ULTRAシリーズより下のランクのDarkglass製品でもいいと思います。

安価なアンプシミュレーターと違う!?インパルスレスポンス(IR)とは

「安価なマルチエフェクターにもアンプシミュレーターがついているなら、それでもいいかな〜」と思いきや、ところがどっこい。

この「キャビネットシミュレーション機能」は、従来のアンプシミュレーターとはワケが違うのです!

そのキーワードとなるのが、

インパルスレスポンス
略して、「IR」と表記されることもあります。

もしDarkglassの購入を検討しているという方は、このキャビネットシミュレーションが機能的にウマすぎる理由を聞いてから、安価なアンシミュにするか、Darkglassを選ぶかを決めてください!

このインパルスレスポンス(以下「IR」)という技術ができたことにより、

ものすごくリアリティのあるアンプから出した音を再現
できるようになったのです!
キャビネットシミュレーション(キャビシミュ)のスゴイところは、
単純にパワーアンプやキャビネットをシミュレーションしているわけではない

ということ。

どういうことかというと「IR」では、キャビネットやパワーアンプ以外の情報も含んでいるのです。

「IR」は、

本物の録音環境を擬似的に再現することができる
技術で、出音機材や録音機材、空間などによる音の特性をデータにしたものです。

具体的には、パワーアンプやキャビネット、マイクやマイクプリ、録音機材、空間の床や壁などの種類や、マイクの角度や距離などのさまざまな条件が細かく設定されているのです。(設定を変えることはできません)

従来のアンプシミュレーターは、開発しているメーカーが「擬似的に」「機械的に」それっぽい音を作り出していたのに対して、IRは実際の環境、本物の機材を使って集めたデータのため、格別にリアルなサウンドが生み出せる、というわけです。

今のところ、このIRを使ったキャビシミュ内蔵のプリアンプはこのDarkglassのULTRAシリーズくらい!

(ハイエンドなマルチエフェクターにも搭載されていることはあります)

宅録では、どんなプリアンプを使っていても、「アンプ感」が足りなく感じることがあるので、その「アンプ感を補う」という機能だけでも、宅録ベーシストがULTRAシリーズを選ぶ理由としては十分だと思います!

さらにすごいアンプシミュレーター

Darkglassの「IR」は、基本1つのプリセットされた録音環境のみを使うことになりますが、さらに使用アンプやプリ・パワーアンプ、マイクの種類までを自由自在に設定できるアンプシミュレーターの最上位クラスが「Kemper Profiling Amplifier ( ケンパープロファイリングアンプリファイヤー ) 」です。

さすがに私も使ったことはないですが、出音・録音機器環境すべてを自由自在に音作りできるというのは、すごく魅力的ですね!

さらにすごいDarkglassのキャビシミュ機能

さらにさらに。DarkglassのULTRAシリーズのすごいところは、

IRを差し替えることができる

ところです!

IRは、機材から演奏環境までを含めた音声データですが、自分で1から選んでいくわけではなく、最初からセットされています。

つまりULTRAシリーズのDarkglassにつなげば、すぐにベストな録音環境が用意されているというようなイメージです。

仮に最初に設定されている録音環境を「スタジオA」とすると、「スタジオB」「スタジオC」……というような別な環境にパソコンを使って差し替えることができます。

今回は、この差し替え方まで解説していくので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!

キャビネットシミュレーションの使い方

使い方について(6:37〜)▼

本日の実験環境

まず最初に軽く演奏環境についてお話していきます。

使用ベースは4弦のパッシブタイプ。

接続については、以下の通り。

ベース

B7K ULTRA
(XLRケーブルでDIRECT OUT)

オーディオインターフェース

パソコン

キャビシミュを使った接続方法

キャビネットシミュレーションは、「DIRECT OUT」「PHONE OUT」に接続したときのみ機能します。普通のシールドでのOUTには対応していないので、注意してくださいね!

「PHONE OUT」(ヘッドホンへの出力)につないだ場合は、アンプ代わりを想定しているためキャビシミュは常にONの状態になります。スイッチなど入れなくても、つなげば自動でキャビシミュが機能するということです。

通常のシールドでのOUTはアンプや他のエフェクターにつなぐことを想定しているため、キャビシミュ機能がかからないのではないかなと考えられますね。

「DIRECT OUT」からの出力の場合、キャビシミュはオン・オフを切り替えることができます。

ライブなどでPAさんに出してもらう場合など、「ラインの音」のほうが都合が良い場合もあるので、状況によってオン・オフ使い分けていきましょう。

「DIRECT OUT」のすぐ近くにあるスイッチを押し込むことでキャビシミュがオンになります。

キャビシミュとして使う

エフェクターがオフの状態(バイパス、ディストーションがオフの状態)でも、キャビシミュだけを使うことが可能です。

その場合は、プリアンプとしての回路を通さず、キャビシミュの装置として使うことができます。

例えば、他に気に入っているプリアンプがあるとすれば、そのプリアンプで音作りをし、Darkglass ULTRAシリーズはキャビシミュ機能のみで使う……という使い方もアリです!

キャビシミュを持っていないのであれば、ULTRAシリーズを1台持っておくのはオススメです。

キャビシミュオン・オフでの音の違い

今回は、「目で見る機材レビューシリーズ」と同じくスペクトラムアナライザーを使いながら、音の変化を見ていきます。

音の変化を耳で聴くだけでなく、スペクトラムアナライザーを使って、出ている音の周波数成分を目で見ながら、レビューしていくシリーズ。

機材のつまみをコントロールすることでどのように音が変化していくのかを視覚で補完しながら、耳で聞く練習をしていきましょう!

まずはオン・オフだけでどれくらい変わるのか見ていきましょう。


▲キャビシミュ・オフ

▼キャビシミュ・オン

何も弾かなくてもオンにするだけで、マイクで音を拾っているときのような「サー」という音が若干聞こえてきます。オンにするだけでも、すでにリアルな質感を感じることができます。

キャビシミュをオンにすると一気にどのくらいの空間で弾いているのか「部屋の広さ(空気感)」を感じるようになりますね。音の太さも増したような感覚もあります。

音質も多少変化しています。B7K ULTRAの特徴であるドンシャリサウンドがより強調されたような感じがありますね。

まさにアンプで弾いている音を聞いているような距離感・立体感
を感じることができました。

ライン録音はダメ?

ライン録音の音が少しチープに感じるので

「アンプからの音が正義で、ライン録音はダメ」

と思われがちですが、ライン録音とアンプ&マイク録音にはそれぞれの良さがあります。

ライン録音のメリット

  • 音の輪郭がはっきりする
  • 変な癖がないので、後から加工しやすい

ライン録音のデメリット

  • そのままでは、音が寂しい感じ・チープな感じ
  • アンプの音とイメージが異なる

マイク録音のメリット

  • 音が太い
  • 空間で聞いているような空気感や残響感がある
  • スタジオやライブで演奏するときの音にイメージが近い

マイク録音のデメリット

  • 音がモワモワ・ボワボワすることがある
  • 実際のマイク録音はノイズ問題や機材準備など素人にはハードルが高い

IRの差し替え方法

IRだけでも、とても充実したキャビシミュ機能といえますが、IRの差し替えまでできてしまうのが、Darkglass ULTRAシリーズのすごいところ。

なぜIRが変えられることが良いのか?

「IR」が固定だと、いつも同じ環境(スタジオ)で、同じアンプを使って演奏しているようなものです。

しかし、キャビネット1つをとっても、何を使うかで音のキャラクターは大きく変化します。

例えば、「小さい口径のスピーカーが複数個あるタイプ」のキャビや「大きい口径のスピーカーが1〜2個あるタイプ」のキャビなど、スピーカーの数やサイズによっても音の出方は変わってきます。

小さい口径タイプ

小さいスピーカー複数個の場合、スピーカーの総面積が大きいので低音域の再生力は高まる。1つ1つの口径は小さいので、高音域の再生力も高い。

大きい口径タイプ

大きいスピーカー1〜2個の場合、低音再生力は申し分ないが、高音域の再生力は低い。

このようにキャビネットの要素だけでも音色の変化に大きく関係しています。

そして「IR」にはキャビネットだけでなく、マイクやその他機材の種類、部屋の床や壁、マイクの角度や距離なども影響しています。

つまり、「IR」を差し替えるだけで、プリアンプ側の設定を変更しなくても大きく音が変わるということです。

パソコン用ソフトをインストールしよう!

「IR」を差し替えるためには、専用のソフトをインストールする必要があります。

すでにULTRAシリーズをお持ちの方は、公式サイトからダウンロードしましょう。

▼キャビネットシミュレーションを最大限に使うための「DARKGLASS SUITE」▼
https://www.darkglass.com/suite/

Mac、Windowsに対応しています。

「DARKGLASS SUITE」を使ってみよう!

付属のマイクロUSB(Bタイプ)を使って接続していきます。

※Bタイプは、アンドロイドのスマホの充電ケーブルと同じタイプです。

初めてソフトを立ち上げると、うまく動作しないことがあるので、その場合は一旦ソフトを閉じて再起動します。
エフェクターに電源が供給された状態でパソコンにつなぎ、ダウンロードしたソフトを立ち上げましょう。
エフェクターが繋がれていない場合の画面表示▼
ソフトが立ち上がるとこのような画面が表示されます。

初期状態では、「Nolly’s Mega-Meld」という「IR」が入っています。

キャビシミュをオンにすることで、「IR」によって音量感が変わるので、オンにしたときのゲイン(GAIN)がこの画面で調整することができます。

パソコンに繋いでいる状態でも音を出すことができるので、聴きながら調整していきましょう。

どのくらいのゲインが良いかについては、

キャビシミュのオン・オフであまり音量が変わらないようにする

と、使いやすいです。

「User」タブの使い方

赤線で囲った「User」というタブの使い方からお話していきます。

「IR」は、Darkglassから提供されるもの以外でも、別の場所から購入・入手することが可能です。

サードパーティーとは、互換性のあるソフトウェアなどを製造・販売しているメーカーのことを言います。

「IR」を使うことができるエフェクターのメーカーとは別に「IR」を単体で販売するメーカーが存在しています。

Darkglassから提供されている「IR」以外のデータが「User」に入ります。
環境が整っていれば、「IR」は自作することも可能です。
オリジナリティにこだわりたい人には嬉しい機能ですね。

かなり拡張性が高いので、中級〜上級者も楽しんで使えます。

「Factory」タブの使い方

Darkglassから提供されている「IR」も豊富です。「Factory」というタブから選択していきます。

海外メーカーなので、どうしても英語になりますが、なんとなくスピーカーのインチと数なのかな? というのが「8×10」というように数字で書かれているので分かりますね。

ここで注意したいのが

エフェクターの方に入れておける「IR」は1つだけ

ということです。

切り替えることができるのはパソコン上のみなので、エフェクターの方で「IR」を切り替えることはできません。

「IR」の切り替え方

「IR」の切り替え方は、とてもかんたんです。

使いたい「IR」が決まったら、右横に「LOAD」というボタンがあるので、それをクリックするだけ。一瞬で切り替わります。

「Loaded successfully!」と表示されたら、切り替え成功です。

「Error」が表示される場合は、一度ソフトを落として、再度開いてみてください。

「Favorites」タブの使い方

いつも使うお気に入りの「IR」が決まってきたら、「Favorites(お気に入り)」に保存しておくことで見つけやすくすることができます。

「IR」データの一番右に「★」をつけることで、かんたんに保存できます。

いろんな「IR」試してみた感想

いくつか「Factory」に入っている「IR」を試してみたので、私なりの感想を少し書いていきます。

ここからは、スペクトラムアナライザーも使って、音を“目で見て”いきましょう!

弾き方を「指弾き」と「スラップ」の2種類、サウンドを「クリーン」と「ディストーション(歪)」の2種類の計4種類のパターンで解説します。

キャビシミュ・オフ

比較対象として、キャビシミュがオフの状態を載せておきます。

スラップ


▲クリーン

▼歪

指弾き


▲クリーン

▼歪

Nolly’s Mega-Meld

初期設定されている「IR」です。

歪ませたときに、ドンシャリが強調されるので、歪ませ向きなのかなという印象です。

スラップ


▲クリーン

▼歪

指弾き

▲クリーン

▼歪

Dave’s Beta 52A

初期設定の「Nolly’s Mega-Meld」よりも高音域が強調されて、少しカラッとした感じがあります。少し低音感も増してモワッとした空気感が増えたような印象です。コンプ感も強めです。

スラップ


▲クリーン

▼歪

指弾き


▲クリーン

▼歪

Forrester’s Monster

名前が気になったので試してみました(笑)

かなり低音が出る「IR」のようで、ブーストしていたグラントをフラットに変えて弾いてみたところ、ドンシャリ感がバランス良くかっこいいサウンドになりました。個人的には好きな音ですね!

「IR」を変えることで音色の変化が大きいので、EQのセッティングも「IR」に合わせて変えていく必要があります。

Forrester’s Crear

Monsterに比べると、おとなしい感じの音になりました。

「IR」を変えることでキャラクターも大きく変化がつけられるようです。

Jon’s 4×10

名前に「4×10」などの数字が入っているものは、スピーカーの数と大きさを示しています。

「4×10」であれば、10インチが4発という感じですね!

スピーカーの数と大きさの違いによっても音色は変わるので、聴き比べてみると面白いですよ。

今回は「4×10」「8×10」「2×12」の3種類を比べて聞いてみました。

スラップ


▲クリーン

▼歪

指弾き


▲クリーン

▼歪

Jon’s 8×10

「4×10」に比べ「8×10」は、低音感や太さが増したような印象です。高音もしっかりと目立ちます。

高音域は「4×10」の方が、ギラギラして聞こえます。低音感が「8×10」に比べ少ないためかもしれませんね。

スラップ


▲クリーン

▼歪

指弾き


▲クリーン

▼歪

Jon’s 2×12

「2×12」は、3種類の中で一番低音が強く、一番高音はおとなしい感じです。音の印象的には、太くボトムがしっかりした感じでロックな音ですね。

スラップ


▲クリーン

▼歪

指弾き


▲クリーン

▼歪

パソコンに接続したまま音が聞けるので、色々と試して自分好みの「IR」を見つけてみてくださいね!

他のタブの使い方について

「DARKGLASS SUITE」の「キャビネットシミュレーション」設定以外の他のタブについてかんたんに解説していきます。ほとんど使うことがない部分なので、軽めにお話します。

デバイスセッティング(Device setting)

このタブでは、機体に名前が設定できるようになっています。(盗難防止なんでしょうか?)

ファームウェア(Firmware)

ソフトが最新版かどうかを確認します。

iPhoneなどでもOSのアップデートがありますよね。同じようにソフトに変更や改善がされていく仕様になっています。

バックアップ/リストア(Backup/Restore)

ここでは、過去にロードした「IR」の状態を保存しておいて、読み込むことができます。

別に設定した「ゲイン」の状態も一緒に保存されているので、もう一度同じ設定にしたいな〜というときに便利ですね。

ファクトリーリセット

工場出荷時の状態に戻したいときに使います。

セッティング(Setting)

先程出てきたバックアップを自動的に保存するか、しないかなどの設定が可能です。

キャビシミュの使い方まとめ

長い記事でしたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます!

最後にまとめをして、キャビシミュの使い方をマスターしていきましょう。

Darkglass ULTRAシリーズに搭載されているキャビシミュは、「IR(インパルスレスポンス)」が使えるため

使用アンプだけでなく、マイクの向きなどの機材環境から演奏空間までを“リアルに”再現する

ハイクオリティなシミュレーション機能です。

細かい設定を自分でするわけでなく、完成された「IR」を選択するだけなので、誰でもかんたんにベストな音作りをすることが可能です。

「IR」は、Darkglassから提供されているものでもかなり種類は充実していますが、サードパーティーで販売されるため、より自分の好みを求めて探してみるのも楽しみの1つですね。(沼の予感しかありません……笑)

「IR」を変更するだけでも音色は大きく変わってくるので、それに合わせてエフェクターの方のEQも調整していく必要があります。

このキャビシミュは、本当に優秀なので、

他のプリアンプで音作りに満足している人にも“キャビシミュ”としてオススメ!

私からも本当におすすめできる機材です!

私は、機材解説のためすべてULTRAシリーズで揃えていますが、キャビシミュ機能は1台あれば十分なので、Darkglass製品を複数台揃える場合は、ULTRAシリーズは1台だけで事足ります。

また「アルファオメガウルトラ(ALPHA OMEGA ULTRA)」に関しては、パソコンで歪みのスイッチの設定が変えられるという機能があります。詳しくは、アルファオメガの機材レビューで解説していきます。

「アルファオメガ」は2種類の歪みを切り替えたり、ブレンドしたりできるモデルです。

この2種類の歪みの切り替えスイッチなどをパソコンで設定できるようになっています。

Darkglass製品は設定が細かくできる分、少し難解に感じるかもしれませんが、1つ1つ理解していけばそれほど難しい機能ではないので、じっくり使いこなしていきましょう!