【何が違うの?】「プリアンプ」と「イコライザー」の違いを教えます!

プリアンプとイコライザーの違いとは

まずかんたんに説明すると、「音色をつくる」という意味では、似た役割を果たしましますが、

プリアンプ  …… アンプ的な音を作る・再現する
イコライザー …… 音色、聞こえ方(音抜け)を調整する
というような目的別にどちらで呼ばれるかが決まります。
正式にメーカーがどう打ち出しているかよりも、「自分がどう使うか」でユーザー側が名前を決めているというところも多いです。例えば、オーバードライブとして売っていても、ブースターとして使っている、という感じですね。

よくあるエフェクター売り場では、「プリアンプ」「イコライザー」など、軽く名称を書いてあるだけの商品説明しかなく、「……結局何が違うんだろう?」そんなふうに悩まれる方も多いでしょう。

今回の記事では、プリアンプとイコライザーの特徴・違い、そして、最初に揃えるべきエフェクターはどちらなのかというお話をしていきましょう。

こんにちは、ベースライン研究所所長のたぺです。当研究所(サイト)にお越しいただきありがとうございます!ここを訪れてくれたあなたも既にベースをこよなく愛する研究員。共にかっこいいベースライン作りの研究をしていきましょう!

プリアンプとは

まず、それぞれの特徴を理解していきましょう。

プリアンプというのは、ざっくり言ってしまえば、読んで字のごとく、「アンプ」のことです。スタジオやライブハウス、そして自宅で音を出すためにつなぐ、あのアンプです。

アンプについては、また別の記事で詳しく説明しますので、ここでは基礎知識程度に説明しましょう。

アンプの基本構造は、大きく3つ。音色をつくるプリアンプ、音を増幅するパワーアンプ、そして音を響かせるスピーカー。これら3つが1つの箱の中に入っています。これらがすべて、1つの箱に収められているタイプをコンボアンプと呼びます。

スピーカーが別になっているタイプをスタックタイプと呼びます。あまり、知らない言葉がたくさん出てくると難しくなってきてしまうでしょうから、用語についてはこの辺で^^

本来は、アンプ内部の“音色工場”をプリアンプと呼ぶわけですが、それと同じ役割を持ち、足元で操作できるようにしたものを「ペダル型プリアンプ(アウトボードプリアンプ)」と呼びます。(単純に、プリアンプ、またはプリというように略されて呼ぶことが多いですね)

どのアンプにつなぐのかで、音色は大きく変わってしまいます。そんな機材環境になるべく振り回されない音作りを可能にするのが「プリアンプ」の役割というわけです。

○○のアンプっぽい音がほしい……けど、アンプは持ち運べない……。そもそも、もう手に入らない……。そんなプレイヤーの願いに答えるために生まれたペダル、あるいはそういう使い方をするペダルを「プリアンプ」と呼ぶ傾向にあります。

また、アンプを再現するエフェクターであることから、ドライブチャンネルがついていて、「ゲイン(GAIN)」を調整できるものが多いです。アンプの音量を上げることで、自然に少し歪みます。その特徴を表現することができるのが、ゲインの役割ということですね。

ベーシスト界隈では、有名なSANSAMP(サンズアンプ)も、歪ませることができるプリアンプの一種です。

宅録プレイヤーはプリアンプを買え!?

パソコンでの録音にも役立つのが、プリアンプ。

プリアンプなしで、オーディオインターフェースにつなぐと、ペチペチした感じで貧弱な音になりがちですが、プリアンプを通すことによって、音が太くなったり、温かみが増したり、空気を包み込むような音になります。

キャビネット・シミュレーターとは?

キャビネットシミュレーター

プリアンプを“音色工場”と呼びましたが、もちろん他の要素も音色に関わってきます。

今回紹介しているDarkglass Electronics (ダークグラス・エレクトロニクス)の「Vintage Ultra」には、キャビネットシミュレーターもついていて、スピーカーから出したしたような空気感を再現することもできます。こうした機能を持つものをヘッドホンアンプとも呼びます。

※スピーカー部分をキャビネットとも呼びます。

このエフェクターは、イヤホンジャックもついているので、家でどうしても生音が出せない……! という方には、アンプを通さず、よりアンプに近い音での練習を可能にする強い味方ですね^^

イコライザーとは

イコライザー(EQ)は、音色を調整するという意味では同じですが、主に周波数ごとの音量を調整し、音の聞こえやすさなどを調整できる機材を指します。

プリアンプにもついているベース、ミドル、トレブルのツマミも周波数ごとの音量を変えるので、イコライザーの一種とも言えます。このような操作できるバンド(周波数)の少ないものは、「トーンコントロール」と呼ばれることが多いです。

イコライザーは、細か〜く周波数ごとの音量を調整することができますが、それは、「アンペグの音をハートキーの音に変える」ということができるわけではないので注意しましょう。

イコライザーで調整できるのは、音の硬い感じ・温かい感じという「音色の調整」や「音抜けを良くする」という部分です。

ちょっと特殊なイコライザー?

私が持っている機材の中でも、ちょっと変わったイコライザーを紹介しましょう。

TECH21 「チャンネル・ストリップ/DI Q STRIP」

これは「ヴィンテージのコンソールにダイレクトに繋いだ音」を再現するもので、プリアンプとは違いますが、“ある音色を再現する”という意味では、プリアンプ的なイコライザーです。

※コンソールというのは、いわゆる音響さんがいじる機械(PA卓)のこと。

イコライザーに限らず、“どちらとも言えない”ようなペダルはたくさんあります。これは、イコライザーだ! プリアンプだ! と白黒つけることには何も意味がなく、自分がそのペダルの特徴を掴み、どんな役割で使っているのかが明確にわかることが大切ですね。

まず買うべきは、プリアンプ?イコライザー?

もし、エフェクター初心者であれば、最初にプリアンプを購入することをオススメします。

プリアンプで、まず「自分が求める音をつくる」ということから始めましょう。

ロックを演奏するのであれば、歪ませた音が必要になるかもしれません! ぜひ、プリアンプから歪ませた音作りも学んでみてくださいね。