ジャムセッションとは?〜即興演奏5つのメリット【ベース初心者のためのアドリブ塾】

「ジャムセッションって、実際どんなことをしているんだろう?」

映画のタイトルにもなった「セッション」という言葉。楽器をやっているとちらほら聞くこともあると思います

しかし、言葉だけは知ってはいても具体的なイメージがない、という方も多いのではないでしょうか?

「アドリブで弾くなんて、プロ級の上級者じゃないと無理じゃない?」

「一体どこまでがアドリブの演奏なんだろう?」

そんな「ジャムセッションってなんだかわからない」という方のためにわかりやすく、イチからジャムセッションについて解説していきます!

こんにちは、ベースライン研究所所長のたぺです。当研究所(サイト)にお越しいただきありがとうございます!ここを訪れてくれたあなたも既にベースをこよなく愛する研究員。共にかっこいいベースライン作りの研究をしていきましょう!

ジャムセッションとは何か?

ジャムセッションをひとことで説明するのであれば、

即興演奏
のことで、その場に集ったメンバーで、ぱっと演奏を始めちゃうスタイルの演奏方法です。

「ジャムセッション」は、単純に「セッション」と呼ばれることもあります。

ただし「セッション」は、広義的に演奏全般を差す言葉として使われることがあり、即興演奏でないコピー演奏にも使われます。(コピーセッションなど)

即興でメロディを弾くことを「アドリブ」、あるいは「インプロビゼーション」と言います。(Jazzの界隈では、“インプロビゼーション”が使わることが多い印象があります)

ジャムセッションは難しい?

コピー演奏をしてきた方にとって、「アドリブで演奏するなんてどうやるのかも想像つかない!」あるいは「きっとものすごい腕前が必要」と思われがちですが、実際は

セッションに「参加できる」ラインは意外と低い
のです。
ジャムセッションには、スキルも知識も要らないという意味ではありません。それらがあったほうが、楽しめるのは確かです!
ここでの考え方として重要なのが、「ベースが上手くなったらアドリブができるようになる」という図式を取っ払ってほしいということです。
知識やスキルよりも「どうやってやっているのか」を知ることが、ジャムセッションに参加するためには必要なのです。
上手くなってから参加する、ではなく、参加してから上達を楽しもう!

ジャムセッションとコピー演奏の違い

右も左もわからない状態で「とにかく楽しもうよ」と言われたところで、楽しめないのは当たり前。

ジャムセッションとコピー演奏では、演奏の楽しみ方も異なります。

コピー演奏やオリジナル楽曲の演奏は、「バンドで1つの楽曲を作り上げていく」という楽しみがありますが、それに対してジャムセッションでは

その場限りの何が起こるかわからないびっくり箱

のような楽しさがあります。

きちんと決め込まないからこそ、失敗もあるし、想像以上に盛り上がることもある。

そんなスリルを楽しむのもジャムセッションの面白いところの1つです。

練習のやり方の違い

コピー演奏は何度も同じフレーズを繰り返し練習する「インプット」中心の音楽ですが、ジャムセッションは練習したものを調理して出していく「アウトプット」中心の音楽です。

かんたんに言えば、

フレーズを覚える練習だけでは足りない
ということ。

もちろん、頭の中にないフレーズは弾くことはできないですから、ジャムセッションにも新しいフレーズを考えたり探したりするインプットは大切です。

ジャムセッションができるといい5つの理由

「今はコピーするのが楽しいし、まだいいかな……」という方でも、ジャムセッションができたほうがいい5つの理由をお話します。

ぜひジャムセッションのメリットを知ってから、考えてみてください!

①初めて会う人といきなり音出しができる

例えば、あなたが新しくバンドを組みたいとき。

もしもジャムセッションができなかったら、とりあえず1〜2曲の課題を決めて数週間後スタジオイン。

という流れになることが多いと思いますが、1〜2曲で練習時間1時間はかなり時間を持て余してしまいます。(実体験です)

人によっては練習期間を無駄にしないためにも、まず一度カフェで顔合わせして、人とナリを見るというワンクッション置く場合もありますよね。

それでうまくいけばいいのですが、当日バックレの空中分解……なんていうことも悲しいかな起こりうるのが現実です^^;

ジャムセッションができれば課題曲を練習せずとも、お試しで音を合わせることも人とナリも見ることができるので一石二鳥ですね。

自分が真面目に活動していきたいと思うのであればなおさら、自分やバンドメンバーがジャムセッションができるというレベルに至っているというのは、ある意味最低限必要なラインと言えるかもしれません。

練習が間に合わずにバックレてしまう不真面目なメンバーと出会う確率が減りますからね!

②一生楽器で遊べる

バンド活動を維持するというものは、かんたんなことではありません。
練習の日程を調整したり、メンバーの士気を保ったり、バンドを運営していくためにはさまざまな努力が必要ですね。
また、組みたいと思ういいバンドメンバーに出会えないということもあるでしょう。
ジャムセッションは、そうした問題もクリアすることができます。
「セッションバー」と呼ばれるジャムセッションができるお店があるのです。
あなたがメンバーを集めることも、メンバーと日程を合わせることも必要はありません。
お店がセッションを企画している日に遊びにいくだけ。
企画やお店によっても、さまざまなコンセプトがありますので、よくチェックしましょう。
「いきなり参加は不安だな……」という方は、まずは見学としてだけお店にいくのもいいですね。(バー利用として、聴きに来ているお客さんも普通にいます)
どんなレベルの人が参加しているセッションなのか、初心者にもやさしいセッションなのか、自分の知っている曲が演奏できそうか、などをみてみましょう。
セッションバーの出会いから、バンド活動が始まることもありますよ!

③インプットが広がる

セッションバーに遊びに行けるようになると、さまざまな年代のミュージシャンとの出会いがあります。
自分の好きな曲のコピーバンドとかになると、だいたいそのバンドによって年代が固まってきやすいですよね。
仕事などで、年代の違う人と接する機会があっても、それが音楽をやっている人かやっていない人かでは、受ける影響は変わってきます。
自分とは違うバックグラウンドを持つ人と影響し合うことで、新しいインプットを得られることにもつながるのです!

④他の楽器とのリアルタイムな音の会話ができる

バンドでオリジナル曲やコピー曲を演奏するときは、アレンジが決まっていたり、その場でアレンジや完成度を詰めていったりと、1つの作品を突き詰めていきますね。

なので、どちらかと言えば、演奏中は「決めたことや覚えたことを再現する時間」という風になります。

一方ジャムセッションでは、リズムのパターンもその人の持つ癖などもぶっつけで、その場で合わせていくので、試行錯誤しながら合わせていくことになります。

「他のパートはどうくるのかな?」と気にしながら

音の会話をする時間
がジャムセッションなのです。
ジャムセッションを繰り返すうちに、演奏しながら他のパートを聞くという頭の使い方の訓練にもなっていきます。
そして、この聴き方はコピーなどの決まった演奏をするときもとても大事な聴き方なので、ジャムセッションができることでコピーバンドのスキルも上がっていくのです!

⑤初見に強くなる

「初見」というのは、その場で渡された譜面を見て演奏することです。

セッションバーにいくと歌伴(歌の伴奏)や知らない曲を演奏する機会が増えます。

ジャムセッションのやり方には、大きく2種類のスタイルあります。

フリーセッション

リフやかんたんなコード進行を決めて(もしくは全く打ち合わせなく)自由に演奏する方法。
ドラムがリズムを刻みはじめて、ベースが乗っかって……というように自然発生的に演奏されることもあります。
いい点:
曲を知らなくても完全に自由に演奏できるところ

悪い点:
自分の引き出し勝負になるので、結構ハードルが高い

フリーセッションでは、コードが1コードなどのシンプルな進行になることが多いですが、コードがシンプルなほど、自分の引き出し勝負になるので、マンネリしやすいという点もあります。
また、耳を使って合わせていく機会が増えていくので、音をとる能力が低いメンバーが混ざっていた場合に合わせるのが難しいということも。
曲セッション
主にスタンダードナンバーを題材にその曲のコードや決まりごとを使ってセッションをする方法。
スタンダードナンバーというのは、世界中でヒットした曲で誰もが一度は耳にしたことがあるような曲です。
もし、知らない曲であったとしても、コードとメロディだけが書かれたリードシートを渡されて初見で演奏することもあります。
スタンダードナンバーは、比較的構成やコード進行がシンプルなものが多いので、指板が把握できていればそれほど難易度は高くありません。
フリーセッションでも曲セッションでもなにかコード進行やリズムなどの枠の中でアドリブやアレンジを楽しむことは共通です。
いい点:
曲を覚えたらスグ参加できる。ハードル低い。

悪い点:
そもそも曲を知らないと演奏できない

邦楽ロックやポップスなどの楽曲は、Aメロ2回、Bメロ、サビ〜というように展開が多いですが、スタンダードナンバーはもう少し展開がシンプルだったり、8小節覚えるだけで演奏できたり、覚えるのもかんたんな楽曲が多いです。
初見対応できなくても、自分が参加できる楽曲を複数用意していけば、セッションバーは誰でも楽しむことができますよ。

ジャムセッションができるといい5つの理由まとめ

最後に、忘れないようにおさらいをしていきましょう!

コピーバンドを楽しみたいという方でも、

ジャムセッションのスキルがあると、相乗効果でコピーバンドのレベルが上っていきます。
もうやらない理由がないですよね!
5つの理由をもう一度まとめます。
  1. 初めて会う人といきなり音出しができる
  2. 一生楽器で遊べる
  3. インプットが広がる
  4. 他の楽器とのリアルタイムな音の会話ができる
  5. 初見に強くなる

「知らない人といきなり演奏する」ということに最初は不安や抵抗を覚えるかもしれませんが、勇気を出して始めてみてください。

セッションバーに見学しに行くだけでも大きな一歩です。

よく分からない世界だから怖く見えているだけということもありますからね!

次回は、ジャムセッション初心者にオススメのスタンダードナンバー5選をお送りします。