【楽器レッスン向け】ZOOMでオンラインレッスン音量が勝手に小さくなる時の対処法

こんにちは、ベースライン研究所のたぺです。

この話は、どんな楽器でも、講師の方も生徒の方にも読んでいただきたい内容です。

 

外出できないときだからこそ、ネットを使ってオンラインレッスンをやりたい!

と準備し、いざZOOMを使ってレッスンをしてみると、

「会話している分には問題ないのに、演奏すると音が急激に小さくなってしまう…」

そんな状況になり、満足にレッスンができなかった経験はありませんか?

 

これは実は、ZOOMの音声に特化した自動で音声を調節する機能が原因なのです。

会話するのにはとてもありがたい機能なのですが、演奏を聞かせる音楽レッスンにはとっても不便。

なので、この記事では自動調節を解除してZOOMで快適にオンラインの楽器レッスンを行う方法をお伝えします。

 

まず、ZOOMは最新版にアップデートしてください。(この記事を書いているのは2020年4月)
私もアップデートするまでは、これから説明する機能の一部が使えませんでした…

 

更に追記(2021年2月)
「音質」そのものを改善したいなと感じるのであれば、
現在のZOOMでは、「設定」→「オーディオ」の項目にある「音楽とプロフェッショナルオーディオ」という機能が追加されています。
そこで、「インミーティングオプションをマイクから”オリジナルサウンドを有効にする”に表示」にチェックを入れて、「高忠実度音楽モード」にチェックを入れると音質が格段に良くなります。(ただし、その分通信量が上がるので、接続が不安定になる可能性はあります。)

ZOOMは、オーディオのサンプリングレートを下げて音質を下げることで、通信量を軽くしサクサク会話できるようにしているので、通信量があがるので、インターネットへはWi-fiではなく有線LAN接続が推奨されています。

(ネットの通信速度があまり速くない環境の人で、音量が変に下がる問題だけを解消したいならば、下記の気をお読みください。)

 

その前に、ちょっとこの原因についてお伝えしましょう。

通常は「通話」をするのに最適な状況になっている。

どうして、自分の声が向こうから山彦のように聞こえたり、ハウリングが起きないのか?

ZOOMで通話をしている時に不思議に思ったことはないですか?

「どうして相手がスピーカーで私の声を聞いていても、相手側のスピーカーから出た音をマイクで拾うことがないのか?」

マイク付きイヤホンなどを使っていれば、音が漏れることはないですが、

もしスピーカーで相手の声を聞いていたら、本来だったら、自分が話したことが0.5秒くらい遅れて、

相手のスピーカーから聴こえてきてもおかしくない……

 

一昔前ならば、そうやって、音を拾うことで自分の声が跳ね返ってきて(オーディオエコー)なんだか気持ち悪い状態になりながら、

そして、時に「ヒーン」というハウリング(オーディオフィードバック)に耐えながら通話をしたものです。(なのでイヤホン推奨だった)

今はそんなこと気にせずに、通話することができます。

 

これは、ノイズキャンセリング機能によるものです。

 

ノイズキャンセリングにはメリットとデメリットが有る

ノイズキャンセリングは、今は結構高級なヘッドフォンなどにも採用されてる技術ですよね。

この仕組を簡単に説明すると、

音は、音波なので、真逆の動きをする音波をぶつけることで、音を打ち消すことができます。

(※ちなみに、機材やミックスでは意図しない「位相問題」によって、音痩せや音が聞こえなくなってしまうこともあります。)

この性質を利用して、取り込んだ音の位相を反転し、真逆動きをする音(逆相)を生み出すことで、音を打ち消しています。

ノイズキャンセリングヘッドフォンなんかは周囲の雑音を拾って逆相を作って打ち消しているということですね。

 

ZOOMにもこういう技術が使われていることで、会話がクリアに行われます。

 

ノイズキャンセリングだけじゃない、本当はありがたいZOOMの通話サポートする技術

自分の声が相手の方から聴こえてきたりするようなオーディオエコーや

ハウリング(オーディオフィードバック)を除去する他にも「音声」をクリアにする機能が

ZOOMには自動でついています。

 

例えば、

  • 大きい音を自動調節するリミッターがかかって音量が下がる。
  • 持続的な音はノイズとして除去される。
  • 声を抽出して大きくし、それ以外の雑音は小さくなる。

このような機能が、何の設定もせずに付いています。

しかし、これは音楽レッスンには不向きな機能ばかり…

 

このような状況のため、演奏していると突然音が小さくなったり、聞こえなくなったりします。

(特に演奏は持続的に同じ音を出しているため、ノイズと間違えられやすいみたいです。)

これはスピーカーやマイク、オーディオインターフェースなどなどあらゆる状況でやっても起こります。

 

徹底した、「声を聞き取りやすい状況」を作る仕様になっています。

 

裏を返せば、楽器演奏には全く適していません…

じゃあ、ZOOMでのオンライン楽器レッスンはできないの?

いいえ、決してそんなことはありません。

 

ちゃんと設定を変えることで、
楽器演奏でもしっかりと聴こえる状態は作れます。

では、詳しく話していきましょう!

【Mac】オンライン楽器レッスン向きの設定にする方法

この設定は「楽器レッスン」向けの設定です。「通話だけ」をする場合は、通常の状態に戻すことをおすすめします。
Macでの設定方法になりますので、Windowsは若干異なる部分があるかもしれません。
(ちなみに、スマホにはこの機能はありません。)
まず、ZOOMは最新の状態にしてください。
その状態で、ZOOMを立ち上げます。
立ち上げると、以下のような画面が出てきますので、右上の「歯車」を押します。
そうすると設定画面が開くので、その中から「オーディオ」をクリックします。
オーディオを開いたら、「マイク音量を自動調節します」のチェックを外します。
チェックを外したら、入力レベルは、「入力音量」のバーを動かすか、オーディオインターフェースを接続している場合はオーディオインターフェース側で随時調節するようにしてください。
さらに、「詳細」を押します。
「詳細」画面が開いたら、「インミィーティングオプションをマイクから”オリジナルサウンドを有効にする”に表示」にチェックを入れます。
ちょっと言葉の意味がわかりにくですが、補足を見る限りでは、エコーキャンセルやノイズ抑制などのありがたい機能(楽器レッスンには不要な機能)をオフにするという意味です。
そして、「オーディオ処理内」の
  • 連続的な背景雑音の抑制
  • 断続的な背景雑音の抑制
これら2つを「無効化」します。
エコー除去は無効化できないのでそのままです。
連続的な背景雑音とは、ファンやエアコンなどずっと鳴っているような音ですね。
おそらくこの抑制機能が来ているせいで、例えば、コードバッキングなど同じ音をずっと鳴らしている場合やじロングトーンの持続音など、特に背景雑音と認識されてしまうのではないかと思います。
断続的な背景雑音とは、タイピングや椅子を移動する音など、突発的に出るその他の音ですね。
ドラム的な打音、ベースのスラップ、鍵盤を叩く音など、アクセントに関わる音が背景雑音として、認識されてしまうようですね。
つまり、この抑制機能のせいで「声」以外がやたら聞きにくいことになっています。
これらを全て無効化してしまえばいいのです。

<おさらい>

「設定」の「オーディオ」にて、
□「マイク音量を自動調節します」のチェックを外す
さらに「詳細」にて
□「インミィーティングオプションをマイクから”オリジナルサウンドを有効にする”に表示」にチェックを入れる
連続的な背景雑音の抑制を無効化
□断続的な背景雑音の抑制を無効化
以下の状態になればOK!
この状態にすると、楽器が聞こえやすくなる一方で、前に出ていた「話し声」が少し引っ込みます。
話し声と楽器の音のバランス調整は各自、アナログ的に音量で調節するか、
オーディオインターフェースや、簡易ミキサーなどを使って調整してみてください。

その他注意すること

相手の声をスピーカーで聞くの禁止

相手の声をスピーカーで聞いてしまうと、自分の部屋に相手の声が流れ出てきて、オーディオエコーやオーディオフィードバックの原因になります。

これは上記の設定ではどうにもできないので、なるべく不具合を起こさないためにも相手の音は「イヤホンやヘッドフォン」で聞くようにしましょう。

相手の演奏中は喋らない

ZOOMは話し声に対しては結構敏感に反応してくれるので、相手の演奏中は話さないようにしましょう。

自分側で音声を発してしまうと相手の音を遮断してしまうことに繋がります。

なんなら、相手が演奏している時は一時的に「ミュート」にしてあげるといいですね。

(上で説明した設定をしておけばだいたい大丈夫ではありますが…)

 

 

いかがでしたか?

これでも完全には問題を解決できない可能性もありますが、オンラインレッスンは

リアルレッスンとは明らかに性質が違うものなので、ある程度は割り切って使うようにしていきましょう!

このような設定にしておけば、快適なオンライン楽器レッスンをやっていけますね!

 

 

ベースライン研究所

たぺ

 

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